広島駅南口側は大規模工事中だった
広島駅南口側は大規模工事中だった

マツダスタジアムでの快勝から一夜明けた7月13日。広島県内を観光予定のこの日も天気は良くない予報だったはずだが、朝起きてみたらすっかり晴天。いい気分でホテルを出ることができた。以前の広島遠征では尾道、宮島と観光したので、今回の目的地は呉に決定した。

大規模工事中の広島駅南口から広島港行きの路面電車に乗る。朝8時頃ということで通勤客で混雑していたが、途中、役所や病院などの駅でぞろぞろと降りて行った。終点の広島港に着く頃には、ほかの乗客は釣り人のおじさんと謎めいたおばさんの2人だけだった。

広島港宇品旅客ターミナルに到着
広島港宇品旅客ターミナルに到着

松山行きクルーズフェリーの乗客は自分たち以外に4人ほどで、売店もまだ閉まっていて静かだった。客室のテレビではなぜか韓国ドラマが流れていた。展望デッキに上がると潮風が気持ちいい。ベイスターズのニューエラ・キャップが飛ばされないようにすこし気を遣いながら、瀬戸内海を眺めた。

展望デッキで遠ざかる広島港を見る
展望デッキで遠ざかる広島港を見る

フェリーで40分ほど波に揺られると、呉港が見えてくる。到着したっぽいので2階客室に降りて下船のタイミングを伺っていると、乗組員の女性に、到着しております、と促され慌ててフェリーを降りる。どうやら呉で降りるのは自分たちだけだったらしい。

大和ミュージアム〜てつのくじら館

戦艦大和の模型(1/10サイズ)
戦艦大和の模型(1/10サイズ)

帰りの新幹線が15時過ぎ出発と早いので時間はあまり無い。呉港に降り立つなり、大和ミュージアムと、道路を挟んですぐ向こう側にある潜水艦あきしおが目印のてつのくじら館に行った。

大和ミュージアムの展示
大和ミュージアムの展示
零式艦上戦闘機六二型
零式艦上戦闘機六二型
海上自衛隊呉資料館 てつのくじら館
海上自衛隊呉資料館 てつのくじら館

大和ミュージアム館内は平日ということもあってか、人はまばらだった。今回は時間に限りがあり1時間半ほどで出ることになったが、展示物はじっくり見ようとするとなかなかのボリュームで、時間さえ許せばあと2、3時間は見ていたい内容だった。

てつのくじら館は、実際に運用されていた潜水艦『あきしお』が展示物になっており、中に入ることができる。体験できるエリアは艦長室や士官室などがある居住区、そして発令所と操舵室。操舵室の潜望鏡は使える状態で、覗くと日本製鉄の呉製鉄所が見えた。艦内はやはり狭く、気をつけていたにもかかわらず何度か頭をこすった。こうしてすこし中に入っただけで閉塞感がすごいのに、これで海深く潜るなんて、ただでさえ海が苦手(見るのは好き)な自分は気が狂ってしまうと思う。過酷な環境で職務にあたる自衛官の方々に尊敬の念を抱かざるを得ない。

さみだれカレー(サラダ付き)+呉名物がんす 1300円
さみだれカレー(サラダ付き)+呉名物がんす 1300円

昼食は大和ミュージアムを出てすぐ横のシーサイドカフェ BEACONで、呉海自カレー『さみだれカレー』を食べた。雰囲気も相まってなかなか美味しかったのだが、このあと行ったてつのくじら館には数量限定の『あきしおカレー』があって、展示物を見終わった時にはもう完売していた。知っていたら先にそっちへ行って食べるのもありだったなと思う。

呉港から入船山記念館へ

呉港近くの風景
呉港近くの風景

この日はもともと、大和ミュージアムを見た後すぐに広島に戻り嫁さんがまだ見たことがない原爆ドームへ行こうと思っていたが、時間の関係で今回は呉観光に絞ることになった。てつのくじら館を出て、次は入船山記念館へ行くことに。限られた時間の中ですこしでも呉の雰囲気を感じようと、歩いて向かった。

堺川沿いを歩く
堺川沿いを歩く

呉線の踏切を渡るまでは、しばらく堺川沿いを歩いた。歩道から下の方に降りると、カニがたくさんいた。すこし深くなっている場所にはハゼのような魚やエビ。それらを目当てにやってきた何羽ものサギが水中にくちばしを突っ込んでいた。

入船山記念館の裏手には漫画『この世界の片隅に』のキャラクターが描かれ、看板には作中のエピソードが。入船山公園と記念館に挟まれた美術館通りに入ると、ユニークな銅像が立ち並び、ワクワクしてくる。

旧呉鎮守府司令長官官舎
旧呉鎮守府司令長官官舎

旧呉鎮守府司令長官官舎は、入船山記念館の本館で国の重要文化財。1905年建築当時の資料をもとに復元されたという。洋館と、居住区の和館が結合した作りになっていて面白い。食堂に置かれたレモンシャーベットの食品サンプルが埃と変色でとてもまずそうになっていた。

広島駅へ

呉線・安芸路ライナーで広島へ戻る
呉線・安芸路ライナーで広島へ戻る

14時すぎには呉駅へ行き、呉線・快速安芸路ライナーに乗る。車内は学校帰りの学生や、これからマツダスタジアムに向かおうというカープファンなどでそこそこ混雑していた。昨日の試合の話で盛り上がるグループ(現地観戦していたらしいカープファン)もいて、広島の人々のカープ愛を改めて感じた。

広島、好きすぎる

今回の広島遠征は、一番心配された天気にも2日とも恵まれ、マツダスタジアムでの試合も快勝。呉も想像以上に魅力的で、また来たいと思わせてくれる街だった。マツダスタジアム、尾道、宮島、呉。どこも素敵な場所で、街の人も親切。広島、好きすぎる。これからは年1くらいで広島に遊びに行くのもいいかもしれない。

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